[ English Page ]




苗蕾教授(Professor)

<For international students>

This laboratory accepts international students. If you would like to join us, do not hesitate to contact me.

[ Contact ]

研究テーマ:


1.高温利用を可能とするHalf-Heusler(HH)合金材料の合成及び熱電変換への応用
本材料は室温から700℃程度までの範囲でZT~1.5程度の高い熱電変換を期待できることから、近年そのneedsが注目されている。先行研究で我々自身でほぼ確立した材料創製プロセス技術(機械的合金法(mechanical alloying)固相反応法(solid state reaction), 遊星ボールミリング法(planetary ball-milling)を駆使して、出発金属の種類、量、プロセスパラメータを制御して所定物質の粉末を得、その後さらに 放電プラズマ焼結(spark plasma sintering(SPS))を適用する)を用いて、以下の材料合成、熱電物性評価、及び物性の学理解明の他にproto-typedevice及びsystem構築とその評価までの応用・実用に関する研究を計画する。France 等との国際連携も進める:
a) MNiSn 基合金のMにTi, Zrの組み合わせる以外にTi, Zr, Hfからなる別の組み合わせを選択したり、析出させる二次相としてXFeSb (X= V, Nb, Ta) 等を狙ったり、さらに、全く新しい対象材料として磁性材料Co, Feを含むMCoSb (M= Ti, Zr, Hf) + XFeSb (X= V, Nb, Ta) を選び, 合金材料の合成プロセスの最適化と熱電性能向上及びその原理の解明、及び、b) 熱電モジュールを作製し、鉄鋼および非鉄金属の製造プロセス廃熱利用応用、等を展開したい(Fig.3 参照)。特に、磁性材料Co, Feを含む系では、@ 磁性金属(Co Fe)とmatrix (MCoSb)接触界面ではオ-ム接触で、Coの4s電子がMCoSbの伝導帯に流入し電気伝導率を上げる、A Curie温度以下では磁性状態はFerromagnetic 状態で、電子は単一散乱(single scatter)されるが, Curie 温度を超えるとsuperparamagnetic状態になり、電子は多重散乱(multiscatter)され電気伝導率を再び上げる。B 磁性Co粒子の磁性擾乱とナノ構造の両方からphonon散乱を高め、結果として熱伝導率を下げる、が期待されるので、熱電特性ZTをさらに高める期待が持てる。また、磁性材料のために特別な接着等施すことなく、熱源に接触させることも可能となり、応用領域を拡げる期待が持てると考える。

11
磁性効果利用する熱電材料の合成、熱電性能向上の物理原理、及び産業への応用模式図.

2. 着用可能電子deviceの電源に応用するFlexible高性能熱電素子の研究
現在、着用可能な電子deviceへの要求が世界的に高まっているが、これに組み込む電源としては人体体温を熱源として、安定的かつ連続的に作動する熱電素子が不可欠とされる。勿論、熱電素子には優れた熱電特性のみならず、軽量、安価、通気性、及び折り畳み可能性等も必須である。我々の先行研究では、従前の印刷法の欠点(粒境界が顕著に存在することから、界面での電子・格子振動子の振る舞いが性能低下を著しくする等)を取り除くため、新たに開発した“冷圧法”を用いて、Teのnano-wire(場合に応じてgraphenと複合化する)を紙の上に圧接しTe粒境界が無視できる程度に結晶化させ、電気伝導率及びSeebeck 係数を高め、高熱電示性数(high-ZT)を実現した(下図に参照)。

12
作製された可撓性を持つ柔軟構造の熱電device。10個の熱電素子を直列接続したものを1層として、全体で4層に重ねた。そのdevice性能は、 出力Vo = 54.4 mV, 及び電流値 Is = 69.3 μA@ΔT = 80Kであった。

本計画では、前述の作製方法をより普遍化するため、材料選択の基準、適用すべき圧接圧、Te等の粒境界の変化挙動と電気・熱物性の関連、及びその結晶成長メカニズム等の研究を先ず進める。さらに、別の材料(例えばAg2Se等)を対象に材料合成、熱電物性評価、物性の学理解明を計画する。その後、これらの材料を用いて、proto-typedevice及びsystem構築とその評価といった実用を目指した研究も計画する。このthemeに関しては中国、日本、アメリカとの国際連携や産業界連携も進める。

3. 造水・水処理・環境浄化、水-電気併給に応用する貴金属微粒子表面プラズモン共鳴吸収を利用する高効率・直接太陽光熱-蒸気変換法

我々独自の水resorvoirから汲み上げる植物の“蒸散機構”を模倣したdevice等独自の要素技術を用いて、以下の研究を発展させる。下部模式図に示す様に、廃棄した木材を炭化加工し(柔軟組織部、繊維組織部が主に炭化)、炭化導管部を毛細管として利用するsystemを構築する。具体的には、木材を硝酸で処理し導管表面を疎水性の木質carbon材料に改質しこれを水の上に浮かべ(floating)、下面の水reservoirから植物の“蒸散機構”を模したdeviceで揚水促進を計り、導管の毛細管現象を利用し太陽光照射により加熱した炭化表面への揚水供給を加速し、活発な蒸発霧発生へと導く。我々が既に行った予備的実験では太陽光熱変換効率は約92%程度に到達した。この値は現存の効率値としては最高水準である。 こうしたsystemによる水処理systemreusedesalinationpurification等)は現在大きな関心を呼んでおり、材料創製、system構築、及びその性能解析・評価の研究は国際連携や産業界連携に直結する。
次に、steamをCarbon black sheetを通すことで、その表面に存在するC-O-C基(functional group)との相互作用を促進させ、carbon sheetの上-下面間に起電力を発生させ(SPTC-)電気エネルギー変換(EEC)することを新たに計画する。この現象は2017年に他者により発見されたが、その学理や材料の組み合わせや工夫による最適system構築は未解決で、我々がこうした問題を解決する研究に取り組む意義は次の応用・実用化にある:直接太陽光熱-蒸気変換(DSSG)と上述のSPTC-EECを併せれば、“真水”と“電気”両方の供給が可能で、そうした複合システムの研究開発(関連材料からsystem構築まで)は、この複合systemによる併給を渇望している乾燥・渇水あるいは悪水地域に立脚する病院、養老院、工場、公共施設のみならず水補給の困難な無人島周回や太洋回遊、さらには長距離物流等の長距離海洋航路に就航する大型船等にとって、独創的なinnovationで画期的な社会貢献を期待できる
13
“植物”の生体機構を模倣したFloat型のDSSG + SPTC-EEC systemの模式図。

原理は自然界の蒸発霧と同じ。また、水をresorvoirからwood carbon背面に汲み上げる機構には我々のideaを具体化した植物の蒸散機構を模倣したdeviceを、その水をporous wood carbon表面に移動させる機構は植物の導管毛細管機構を模倣している。

4.smart応用する熱クロミックV1-xWxO2薄膜の創製とそのlaminate化の研究
“Smart窓”とは住温熱環境の快適性と省energy性を併せて実現する建築物窓である。現在まで先行研究として継続して実施してきた建築物外皮として最も熱損失が大きい部材で、かつ、太陽光入射開口部機能を持つ“窓”の『smart化/高断熱化』(smartenergy化)の研究開発を新しい観点から実施する。高性能smart窓を建築部材に採用し、室内環境の温度に応じて自動的に太陽光の入射を制御する事によって建物の暖冷房負荷の低減と室内温熱環境の快適性実現を目指す(こうした用途には添加量xは0.07以下が適する)。その室内温熱環境への効果はFig.6に示す通りである。この材料は暖房負荷の大きい寒冷地のみならず冷房負荷の比較的大きな温暖地においてもautomate調光が可能で、従前一部実現されていた電荷注入型調光材料に比較し、優位性を持つと考えられる。但し、現在の研究開発では多層ガラスあるいは機能性多層膜積層が主流で、これらは作製上の煩雑・複雑性を有することから大面積化への適用困難性、ひいては高額化を招く。実用性・適用性を極端に狭めるこれら欠点を克服する試みとして、我々は独自ideaに基づく以下の“laminate foil”方式を進める:断熱性が極めて優れた冷凍乾燥方法により作製したゲルはその作製costも相当安価で、smart機能に優れた熱クロミックVO2と組み合わせlaminate foilとしてガラスの片面に貼り付ける。これをFig.6右に示す様に他の機能ガラス(例えば熱線低放射率ガラス)で挟むものである。こうした研究では、材料創製研究のみならず、こうした開発物を実証し、実用展開に持ち込む実用・応用研究が重要で、国内有力企業にこの優位性とcost低減のfeasibilityを強く訴え連携を計りたい。
14

 

 

 

 

 

 

窓のsmart化と高断熱化の効果模式図

さらに本V1-xWxO2材料に関する学理研究として、極めて最近我々が明らかにした量子相転移論に基づくW添加による相転移温度低温化メカニズムを用い、添加量x0.07を超える領域にまで増やした場合の相転移の様相、さらにはx値を固定して相転移温度を変化させる可能性に繋がる“dopant atomic manipulation法”の検討等々の課題についても計画したい